豊胸の歴史とやわらかい仕上げにする処置の詳細について

女性の乳房を大きくする豊胸は美容整形の代名詞と言えるほど、広く知られています。理想的なバストサイズにするための方法として、古くから様々な方法で豊胸が行われていました。その一方で体への影響も無視できないことから、安全性を重視した、体に優しい処置の方法も研究されています。

ここでは豊胸の歴史や処置後の感触、体調管理に関する注意点などについてお伝えします。

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古代からあった豊胸の考え方と問題点について

豊胸は女性の乳房を大きく見せることを意味しますが、この考え方は人類が文明を持つようになったのとほぼ同時に誕生したと言っても過言ではありません。古代のエジプトや中東では胸部に厚い布を縫い付けた女性用の衣類が使われていました。

当時は乳房が大きな女性や太っている女性は豊穣のシンボルであり、おめでたい存在として崇められていたのです。美しさの条件ともされていたことから、当時の女性は胸部を膨らませるために様々な工夫を凝らしていました。

また、病気でやせ細った女性が健康だった時のボディラインを再現しようと、胸部に海綿を貼り付けることもありました。本物の乳房に似せるためにやわらかい海綿を使ったと言われています。医療的な意味での豊胸は腫瘍などの摘出で乳房を喪失した女性へのケアとして行われていました。

動物の皮をなめしてやわらかくした物を丸めて胸部に貼り付けるなど、乳房の弾力性を再現させるのが主な方法でした。手術による豊胸が行われるようになったのは20世紀になってからですが、当初の豊胸手術はろうそくの原料でもあるパラフィンを胸部に直接注入する方法だったのです。

当時は体内に異物を入れることでどのような健康被害が生じるかが判明しておらず、悪質な医療機関ではろうそくを溶かして注入するケースもありました。そのため、重大な健康被害に見舞われる人が続出し、豊胸手術は一時的に廃れてしまいました。

再び豊胸手術が注目されたのは1950年代になってからです。

豊胸に肯定的なイメージをもたらした美意識の変化

1950年代はアメリカ映画における価値観が世界中に広まった年代でもあります。豊満なバストを持つグラマラスな女優が美しい女性とされ、多くの人がそのような価値観に影響されました。また、肌の露出も多く、セクシーな雰囲気を演出するためにあえて胸の谷間を見せる女優も少なくなかったのです。

谷間を作るには乳房がそれなりに大きい必要があるため、アメリカの映画界では女優の豊胸手術は半ば当たり前でした。そのような事情から、手術によって美しい体にすることは何ら咎められることではないという考えが広まったのです。

旧来の価値観では例え医療目的であっても体の形状を変えるのは良くないとされていたので、美容目的での豊胸は以ての外でした。しかし、美人女優は豊胸手術をしているというイメージが広まると、美しくなれるなら手術をするのは悪いことではないという考え方が肯定されるようになりました。

美しさに対する意識の変化が豊胸にポジティブなイメージを持たせるようになったと言えるでしょう。現在では豊胸をはじめとする美容整形治療全般に明るいイメージがありますが、そうなったのはこの頃に起きた美意識の変化が主な理由です。

現在の豊胸治療の詳細や体調管理について

現在の豊胸治療は患者の安全を第一に考えて行われます。体に異物を入れる行為なので、些細な不具合でも重大な健康被害に見舞われるおそれがあるためです。豊胸手術には医療用のシリコンを封入したパックが使われていますが、これは患者の体質に影響されないためです。

シリコンは化学物質で成分が安定しています。体内に入れても変質することはほとんどないので、サイズが変わったり形が崩れる心配はほとんどありません。理想の形状を半永久的に持続できるため、世界中の豊胸治療で使われています。

一方でシリコンはやわらかいものの、その質感は本物の乳房とは異なるものです。そのため、術後の乳房に触れると豊胸を行ったと分かってしまいます。また、化学物質に対するアレルギーを持つ人はシリコンによる豊胸はできません。

シリコンが触れている部分に炎症が発生し、痛みや腫れに見舞われることもあります。豊胸治療を受ける際は必ず事前に検査を受け、治療法が自分の体質に適していることを確認するのが安全にバストサイズを大きくするための必須条件です。

体質に問題がない場合でも数週間は力をかけず、できるだけ安静にすることを心がけます。

シリコン以外の豊胸治療を比較する際のポイント

シリコン以外の豊胸治療として生理食塩水や天然成分のジェルを注入する方法があります。シリコンパックを使う豊胸治療と異なり、胸部を切開せずに薬剤を注射器で胸部に入れるので傷がほとんど目立ちません。また、短時間で済むことから日帰りで豊胸治療を行う医療機関もあります。

シリコンよりも自然な感じのやわらかさなので豊胸治療を受けたことを他人に知られたくない人に適しています。しかし、生理食塩水や天然成分のジェルは時間が経つと体内で分解されてしまいます。次第にバストが小さくなるので、理想の形状を保つには定期的に注入しなければいけません。

そのため、長期的に見るとシリコンパックを入れる方法よりも費用が嵩むデメリットがあります。薬剤を注入する豊胸治療は体への影響が出やすいことから、シリコンパック以上に事前の検査を徹底して行う必要があります。

治療費の安さや医療機関の知名度だけで安易に決めるのではなく、検査をしっかり行うことや豊胸治療のリスクを分かりやすく説明するなど、医療機関として信頼できる所を選ぶのが安全に豊胸するための秘訣です。

豊胸治療は患者が費用を全額負担するのが普通だが例外もある

豊胸治療など美容目的の治療は基本的に費用の全額を患者が負担します。自分の体を美しく見せるための処置は医療行為とは見なされないためです。一方で腫瘍などを摘出した後に形状を回復させるための再建手術は医療行為に該当するので保険が適用されます。

ケースバイケースの側面もあるので、豊胸治療を受ける際は医師に相談するのが賢明と言えるでしょう。

『豊胸に興味がある時は評判が良いクリニックで相談をしてから契約を結ぼう』

女性が求める美しさへの願望をかなえる豊胸治療

豊胸治療は医学的に見れば必ずしも必要な処置ではありません。しかし、女性が持つ美意識に大きく関わる事柄なので、豊胸治療は古くから様々な方法で行われていました。現在では安全を第一に考え、事前の検査や患者の体質の確認などを行ったうえで最善の治療法を選択します。

綺麗にやわらかく仕上げることはもちろん、体に負担をかけないことが豊胸治療のあり方と言えるでしょう。